仮設トイレのレンタル料金の目安は?種類別比較とバイオトイレという選択肢

仮設トイレをレンタルするとき、多くの方が気になるのは料金でしょう。工事現場やイベントなど、利用する場面によって必要な条件は大きく変わります。
たとえば短期間の工事やイベントでは、1日あたりの料金だけを見て判断しがちです。しかし実際には、運搬費や設置費、回収費、清掃費などが別でかかるケースも少なくありません。
一方、長期間レンタルする場合は、月額料金が安く見えても安心はできません。利用人数が多ければ清掃回数やくみ取り回数が増え、結果として想定以上の費用になることもあります。
この記事では、仮設トイレのレンタルをご検討の方に向けて、仮設トイレの種類ごとの料金相場と検討の際に押さえておきたいポイントをまとめ、一般的な仮設トイレとの比較検討に入れておきたい”においがない”仮設トイレ「バイオトイレ」の仕組みについても詳しく解説します。
仮設トイレのレンタル料金相場はどれぐらい?

仮設トイレのレンタル料金を調べると、「1日あたり〇円」という表現を見かけることも多いかと思いますが、実際に明確な日額が設定されているケースは多くありません。多くの場合は、短期向けのパック料金や、月額料金をもとにした考え方が使われています。
そのため、業者ごとの料金を並べて見ると、大きな差があるように感じることもあります。しかし、その違いは単純な価格差ではなく、料金に含まれる内容や前提条件の違いである場合がほとんどです。
仮設トイレにはいくつかの種類があり、構造や使い方によって料金の考え方が変わります。とくに「簡易水洗」「非水洗式」「水洗式」の3タイプは、レンタル料金の目安だけでなく、追加費用が発生しやすいポイントにも違いがあります。
ここからは、それぞれの仮設トイレについて、料金目安をわかりやすく整理していきます。
簡易水洗トイレのレンタル料金相場
簡易水洗トイレは、仮設トイレの中でもっともポピュラーなタイプ。足でペダルを踏むと、タンクからくみ上げた水が排泄物を流す仕組みで、上下水道工事が不要なのでどこでも設置できますが、タンクに溜まった排泄物のくみ取りが必要です。
料金の考え方としては、「1日いくら」という日額設定よりも、短期パックや月額料金をもとにした提示が一般的です。たとえば、1日から7日までをまとめた短期パックとして、1台あたり15,000円前後が目安です。
この場合、1日だけ利用しても7日利用しても料金は変わらないため、日数が短いほど割高に感じやすいです。一方で、7日間しっかり使う場合は、1日あたりの金額に換算すると負担は軽く見えます。
長期間レンタルするケースでは、月額1.5万円〜3万円前後が相場です。この金額を日割りで考えると、1日あたり数百円程度に見えるため、コスト面だけを見ると非常に安く感じるかもしれません。
ただし、この月額料金には、清掃やくみ取り費用が含まれていないこともあります。簡易水洗トイレは内部に汚物がたまる構造のため、一定の使用回数を超えるとくみ取り作業が必要になります。
くみ取りは1回あたり数千円かかることが多く、回数が増えるほど総額に影響します。とくに利用人数が多い現場や、夏場で使用頻度が高い場合は、想定よりも早いペースでくみ取りが必要になることがあります。
また、簡易水洗トイレは水タンク式が主流のため、水の補給作業も欠かせません。補給を怠ると流れが悪くなり、結果としてにおいや衛生面の不満につながります。
イベント会場などでは、トイレットペーパーや消臭剤の補充も重要です。これらが料金に含まれているかどうかは業者によって異なるため、見積もり時に確認しておかないと、現場側の負担が増える原因になります。
簡易水洗トイレは、設置のしやすさと使い心地のバランスが良く、多くの現場で選ばれています。その反面、くみ取りや補充といった運用面を考えずに料金だけで判断すると、あとから手間や追加費用が発生しやすい点には注意が必要です。
非水洗式トイレのレンタル料金相場
非水洗式トイレは、仮設トイレの中でもっともシンプルな構造で、水を使わずにタンクに排泄物を溜めておく、いわゆる「ボットン型」トイレです。電源や給水が不要でどこでも設置ができます。
料金面では、比較的安く設定されており、月額で1万円〜2万円前後が目安です。これを日割りで考えると、1日あたり数百円程度に見えるため、コストを抑えたい現場では候補に挙がりやすいです。
ただし、短期レンタルの場合は注意が必要です。非水洗式でも、1日単位の料金ではなく、数日分をまとめた基本料金が設定されていることが多く、1日だけ利用すると割高に感じることがあります。見積もりでは「最低利用日数」や「短期パック」の有無を確認しておくことが大切です。
非水洗式トイレでとくに意識したいのが、くみ取りと清掃の負担です。水で流さない構造のため、使用回数が増えるほど汚物がたまりやすく、においも強くなりがちです。その結果、想定よりも早いタイミングでくみ取り作業が必要になることがあります。
くみ取りは1回あたり数千円程度かかることが多く、これが別料金の場合、総額に大きく影響します。レンタル料だけを見ると安く感じても、くみ取り回数が増えることで、結果的に簡易水洗と大きな差が出なくなるケースも少なくありません。
また、清掃を誰が行うかも重要なポイントです。現場スタッフが対応する前提であれば費用は抑えられますが、担当が決まっていないと清掃が行き届かず、衛生面の不満につながります。とくに夏場は、においと虫の問題が出やすく、利用者のストレスになりやすいです。
工事現場など、利用者が限られていて、管理体制がはっきりしている場合には、非水洗式はコストを抑えやすい選択肢になります。一方で、イベント会場や来場者が多い場所では、においや見た目の問題から、満足度が下がりやすい点も考慮が必要です。
水洗式トイレのレンタル料金相場
水洗式トイレは、仮設トイレの中でも快適性を重視したタイプ。一般家庭用のトイレに近い感覚で利用できるため、来客がある現場や、女性利用者が多い場所でも受け入れられやすい仮設トイレです。
料金は非水洗や簡易水洗より比較的高めで、月額で3万円〜7万円前後が目安です。日割りで考えると1日あたり千円台に見えることもあり、価格だけを見ると負担が大きいと感じる方もいるでしょう。
ただし、水洗式の料金は「機種代」だけで決まるわけではありません。水洗式は給水と排水が前提になるため、設置場所の条件によって追加費用が発生しやすい点が大きな特徴です。
たとえば、会場に水道が近く、排水先も確保できる場合は、比較的スムーズに導入できます。一方で、給水が遠い、排水を流せない、地面が傾いているといった条件があると、ホースの延長や排水処理の追加手配が必要になり、総額が上がりやすくなります。
また、水洗式といっても方式は一つではありません。通常の水洗に近いタイプだけでなく、圧送ポンプを使うタイプなど、設置条件に合わせた仕様が存在します。こうした仕様になるほど、料金も上がりやすく、短期イベントではコストが膨らみやすいです。
水洗式を選ぶメリットは、においが出にくく、衛生面の印象が良くなりやすい点です。トイレの印象は現場全体の評価に直結しやすいため、クレームを減らしたい場面では費用以上の価値が出ることもあります。
一方で、導入前に確認すべきポイントも明確です。給水が可能か、排水処理はどうするか、凍結が起きる季節か、夜間照明は必要かなど、現場条件を整理しておくことが重要です。
仮設トイレのレンタル料金が変わる主な要因

仮設トイレの料金は「本体レンタル料」だけでは決まらず、いくつかの条件で大きく変動します。見積もりを比べたときに差が出るのは、たいていこの条件の違いが原因です。
とくに影響が大きいのは、レンタル日数、台数と利用人数、運搬と設置の条件、清掃回数と汚物処理です。ここを押さえるだけで「安いと思ったのに追加で高くなった」をかなり防げます。
ここからは、料金が変わりやすいポイントを5つに分けて整理します。
レンタル日数
レンタル日数は、料金の出方をいちばん変えやすい要因です。短期は「基本料金」が効きやすく、長期は「月額」中心に切り替わることが多いからです。
たとえば1日だけ借りる場合、日割りで安くなる期待をしがちです。ですが実際は、運搬と設置、回収の手間が一回ぶん発生するため、最初の数日はまとまった金額になりやすいです。
逆に、1か月以上の現場では、月額が落ち着いて見えることがあります。ところが、期間が長いほど清掃やくみ取りの回数が増えやすく、トータルで見ると想定より上がることもあります。
ここで大事なのは、「予定日数」と「延長の可能性」を分けて考えることです。工事は天気や工程で伸びることがあり、イベントも撤去日がずれることがあります。
延長が起きたとき、日割りなのか、週単位なのか、追加の基本料が出るのかで負担は変わります。見積もりを取る段階で「延長1日」「延長1週間」のケースも聞いておくと、後から焦らずに済みます。
また、短期と長期の境目がどこにあるかは業者によって異なります。7日で区切るところもあれば、14日で条件が変わるところもあるので、同じ日数でそろえた見積もりを取りやすくなります。
具体例として、10日間の現場を「短期パック+追加日数」で組むのか、「月額契約」で組むのかで、合計が逆転することがあります。数字だけでなく、含まれる内容(運搬や設置、回収の扱い)も合わせて比べると判断がぶれにくいです。
さらに、繁忙期は日程が取りづらく、希望日に搬入や回収ができないこともあります。その場合、前日搬入や翌日回収が発生し、レンタル日数が増える形になるので注意しておきましょう。
日数の見積もりでは、「使用する日」だけでなく「搬入日と回収日」も含めて確認してください。ここを最初にそろえると、見積もり比較が一気に分かりやすくなります。
台数と利用人数
台数と利用人数は、レンタル料よりも「運用コスト」を動かしやすい要因です。人が多いほど汚れやすくなり、清掃やくみ取りの回数が増えやすいからです。
工事現場でよくあるのが、「とりあえず1台で足りるだろう」という判断です。ところが、利用が集中すると床が汚れ、紙や消耗品も早く減り、結果として現場の負担が増えていきます。
イベントでは、利用人数そのものより「ピークの波」が効きます。短時間に人が集まると行列ができ、周辺の動線が詰まり、運営の満足度にも影響します。
たとえば飲食が多いイベントは、利用回数が増えやすいです。さらに子どもや高齢者が多い会場では、利用時間が長くなることもあり、回転が落ちて行列が伸びやすくなります。
ここで効くのが、台数を増やすか、清掃回数を増やすかの判断です。台数を増やすとレンタル料は上がりますが、汚れとにおいが分散し、清掃負担が下がることもあります。
逆に台数を増やさずに回すなら、清掃と補充の体制が必須になります。担当が決まっていないと、トイレットペーパー切れや床の汚れが放置され、苦情につながりやすいです。
具体例として、30人が毎日使う現場で1台だけだと、夕方に汚れが目立ちやすくなります。2台に増やすと費用は上がりますが、においと衛生の安定につながり、結果として運用が楽になることもあります。
見積もり依頼のときは、人数だけでなく「男女比」「滞在時間」「ピーク時間」「飲食の有無」を伝えると精度が上がります。条件が具体的なほど、無理のない台数と清掃回数を提案してもらいやすいです。
運搬・設置・回収費
運搬・設置・回収費は、短期レンタルほど負担感が出やすい費用です。トイレ本体を安く借りられても、搬入と撤去の作業は必ず一回分発生し、ここが固定費のように効いてくるからです。
見積もりを見たとき、「レンタル料は安いのに合計が高い」と感じる場合は、この運搬関連が大きいことがよくあります。特に1台だけ、数日だけという条件だと、運搬費の比率が上がりやすいです。
運搬費は、単純な距離だけで決まりません。搬入する時間帯、車両の大きさ、搬入路の状況、回収日の指定などでも変わります。
たとえば、会場が市街地で搬入しやすい場所なら、作業はスムーズです。一方で、細い道や段差が多い場所、重機が必要な場所では、追加作業が発生しやすくなります。
設置作業も同じで、ただ置くだけで済むとは限りません。地面が傾いていると扉が閉まりにくくなり、利用者の不満につながるため、水平調整が必要になることがあります。
イベントでは、回収日時が集中しやすい点も要注意です。終了後に一斉撤去が重なると、希望の時間に回収できず、翌日回収になって日数が増えることがあります。
さらに、回収が遅れると、その間の清掃や管理も必要になります。結果として「1日だけ追加費用」ではなく、運用負担まで増える形になるので、日程の組み方が大切です。
具体例として、週末イベントで日曜の夜に撤去したい場合、他の現場と重なって回収が難しいことがあります。その場合、月曜回収を前提にし、最初からレンタル日数に含めて見積もりを取ると、あとで慌てずに済みます。
運搬関連で見積もりを安定させるコツは、設置場所の情報を先に渡すことです。会場図、搬入路の写真、段差の有無、車両が入れるかどうかを伝えるだけで、追加費用の出方が読みやすくなります。
また、複数台をまとめて手配する場合は、運搬回数がまとまり、1台あたりの運搬費が軽く見えることもあります。台数が必要な現場では、結果として総額の効率が良くなるケースもあります。
運搬・設置・回収費は、料金表に出にくいのに、合計に効きやすい項目です。見積もり比較では「どこまで込みか」「追加が出る条件は何か」をそろえてから判断すると、ムダな差を減らせます。
清掃回数と汚物処理費
清掃回数と汚物処理費は、後から増えやすい費用です。利用が想定より多かったり、天候や季節の影響で汚れやにおいが強くなったりすると、対策として回数を増やす判断が必要になるからです。
仮設トイレは、清掃が一度遅れるだけで体感が大きく悪化します。床の汚れ、便器の汚れ、紙の散らかりなどが目立ちやすく、現場の印象に直結します。
さらに、非水洗や簡易水洗のようにタンクにためる方式では、くみ取りが必要です。くみ取りは回数が増えるほど費用が積み上がるため、見積もり段階での想定が重要です。
「清掃を誰がやるか」も、費用と品質を左右します。現場スタッフが行うなら費用は抑えられますが、担当が決まらないと放置され、衛生が崩れやすいです。
逆に、業者に清掃を依頼する場合は費用が増えますが、品質は安定しやすいです。イベントなどクレームが出やすい場面では、結果として楽になることもあります。
具体例として、雨の日のイベントでは、靴の泥で床が一気に汚れます。予定していた清掃回数では足りず、追加清掃を入れないと不満が増えることがあります。
夏場の工事現場でも同様で、気温が上がるほどにおいが強く感じやすいです。くみ取りの間隔が同じでも、体感は悪くなりやすく、追加対応が必要になるケースがあります。
汚物処理の扱いも確認が必要です。業者がくみ取りまで手配する場合もあれば、現場側で手配する前提のこともあります。ここがそろっていないと、安い見積もりに見えても、後で別手配が必要になります。
見積もり比較のときは、「清掃は何回まで込みか」「くみ取りは何回まで込みか」「追加費用はいくらか」をセットで確認してください。条件をそろえるだけで、実際の負担に近い比較になります。
清掃と汚物処理は、料金だけでなく現場の安心感にもつながる要素です。安さを優先する場合でも、最低限の回数と体制を決めておくと、結果としてトラブルを減らせます。
電源・給水・設置条件
電源や給水、設置条件は、選べるトイレの種類そのものを左右します。条件が合わない方式を選ぶと、追加の準備や工事が発生し、結果として費用が上がりやすいからです。
水洗式は快適ですが、給水と排水が前提になりやすいです。給水が遠い場合はホース延長が必要になり、排水先がない場合は別の処理が必要になることがあります。
簡易水洗は給水工事までは不要なことが多いですが、水タンクの補給は必要です。補給担当がいないと流れが悪くなり、衛生とにおいへの不満につながりやすいです。
電源についても、夜間利用や換気の有無に関係します。夜のイベントで照明がないと安全面の不安が増え、電源確保が必要になります。
また、設置する地面の状態も見落としがちです。傾斜があると扉の開閉が重くなり、利用者が使いにくく感じることがあります。
砂地や芝生は、雨でぬかるむと足元が汚れやすく、清掃負担が増えます。こうした場所では、足場板やマットの準備が必要になることがあります。
具体例として、河川敷のイベントでは風が強く、地面もやわらかいことがあります。転倒やズレ防止の固定が必要になり、設置方法が変わることもあります。
工事現場でも、搬入路が狭いと小型車で複数回運ぶ必要が出る場合があります。結果として運搬費が上がり、設置にも時間がかかることがあります。
こうした追加を減らすコツは、現場条件をできるだけ具体的に伝えることです。会場写真、地面の状態、電源の位置、水道の位置、排水の可否を事前に共有すると、見積もりのブレが小さくなります。
電源・給水・設置条件は、トイレの快適性と総額に直結します。料金表を見る前に、まず現場条件を整理しておくと、最適な方式が選びやすくなります。
料金だけで選ばないで!仮設トイレをレンタルする前に把握しておくべきポイント

仮設トイレは、料金の安さだけで選んでしまうと、現場で思わぬ負担が出やすい設備です。トイレは毎日使われるため、小さな不満が積み重なり、管理側のストレスやクレームにつながりやすいからです。
とくに工事現場やイベントでは、「使えればいい」と考えて導入すると、におい、清掃、衛生面で問題が出やすくなります。結果として、後から追加費用や対応作業が増え、最初に想定していたコスト感とずれてしまうことも。
ここでは、仮設トイレをレンタルする前に把握しておきたいポイントを整理します。事前に理解しておくことで、トラブルを減らし、納得感のある選択がしやすくなります。
におい問題
仮設トイレで最も不満が出やすいのが、においの問題です。とくに非水洗式や簡易水洗式は、汚物をタンクにためる構造のため、使用回数が増えるほどにおいが強くなりやすいです。
気温が高い季節になると、この問題はさらに目立ちます。夏場はにおいがこもりやすく、朝は気にならなくても、夕方になると一気に強く感じることがあります。
におい対策として、消臭剤を使う方法もありますが、根本的な解決にはなりません。消臭剤は一時的な対処であり、汚物がたまるペースが早い現場では、すぐに効果が弱まります。
具体例として、職人さんが多い工事現場で1台を共有している場合、1日の終わりに強いにおいが残ることがあります。こうした状態が続くと、利用を避ける人が出たり、周囲への配慮が必要になったりします。
イベント会場でも同様で、来場者が多いと短時間で利用が集中します。においが気になると、トイレ全体の印象が悪くなり、運営への評価にも影響します。
においの問題は、あとから対応するより、最初に台数や方式を見直すほうが効果的です。においが出やすい条件を理解したうえで選ぶことで、余計な手間と費用を減らせます。
清掃負担の増加
仮設トイレは、定期的な清掃を前提としないと、すぐに使いづらくなります。とくに利用人数が多い現場では、清掃を怠ると衛生状態が急激に悪化します。
問題になりやすいのは、清掃担当が決まっていないケースです。「空いた人がやる」「気づいた人がやる」といった曖昧な運用では、結局だれも対応せず、汚れがたまりやすくなります。
床の汚れや便器まわりの飛び散りは、放置すると落ちにくくなります。トイレットペーパーの散乱や、手洗い水の不足も重なり、利用者の不満が一気に高まります。
イベントでは、運営スタッフが他の対応に追われ、清掃まで手が回らないこともあります。その結果、ピーク時間帯にトイレの印象が悪くなり、クレームにつながるケースもあります。
清掃を業者に任せる方法もありますが、その分費用は増えます。とはいえ、現場の負担やトラブル対応を考えると、結果的に楽になる場合もあります。
清掃負担は、料金表には見えにくい部分です。レンタル前に「だれが、どの頻度で清掃するか」を決めておくことで、現場の混乱を防ぎやすくなります。
衛生・見た目の課題
仮設トイレは、衛生面と見た目の印象が強く残る設備です。利用者は、トイレを見るだけで現場全体の管理状態を判断しやすいからです。
とくに来客がある現場や、一般の人が利用するイベントでは、見た目の悪さがそのまま評価の低下につながります。汚れやにおいが目立つと、「管理が行き届いていない」という印象を持たれやすいです。
具体例として、地域イベントで仮設トイレが汚れていると、SNSなどで悪い印象が広がることもあります。一度ついたイメージを取り戻すのは簡単ではありません。
見た目の課題は、清掃だけでなく設置場所にも影響します。人目につきすぎる場所や、直射日光が当たる場所では、においや汚れが目立ちやすくなります。
仮設トイレを設置する際は、動線や日当たり、風通しも考慮することで、見た目と衛生の印象を改善しやすくなります。
水・汚物処理・補充物の管理
仮設トイレは、設置したら終わりではありません。水や消耗品の補充、汚物処理といった管理作業が必ず発生します。
簡易水洗では水タンクの補給が必要になり、非水洗や簡易水洗ではくみ取り作業が欠かせません。これらの作業を想定していないと、現場で慌てることになります。
トイレットペーパーや消臭用品も、想像以上に早く減ります。とくにイベントでは、まとめて使われることが多く、補充が追いつかないと利用に支障が出ます。
補充物をどこに置くか、だれが管理するかを決めていないと、ムダに消費されたり、必要なときに足りなかったりします。結果として、管理側の負担が増えます。
汚物処理についても、業者が対応するのか、現場側で手配するのかを明確にしておく必要があります。ここが曖昧だと、想定外の追加費用が発生しやすいです。
水や汚物、補充物の管理は、料金以上に現場の安定感に影響します。レンタル前に運用ルールを決めておくことで、トラブルを大きく減らせます。
デメリットの少ない仮設トイレなら「バイオトイレ」がおすすめ

ここまで見てきたように、一般的な仮設トイレは料金が安価な反面、におい、清掃、汚物処理といった運用面での負担が出やすい設備です。特に長期間の現場や、利用者の満足度が重視される場所では、この負担が大きな課題になります。
そうしたデメリットを減らす選択肢として、近年注目されているのが「バイオトイレ」です。バイオトイレは仕組みそのものが従来の仮設トイレと異なり、管理の考え方も変わってきます。
初期のレンタル料金だけを見ると高く感じることもありますが、運用まで含めて考えると、結果的に負担が軽くなるケースもあります。ここからは、バイオトイレの仕組みと特徴を順番に整理していきます。
バイオトイレの仕組み
バイオトイレは、水で流すのではなく、微生物の働きを利用して排せつ物を分解する仕組みを持っています。内部にはおがくずや木材チップなどが使われ、これが微生物の活動を助ける役割を果たします。
排せつ物は、この素材の中で分解され、水分は熱や空気の循環によって蒸発していきます。そのため、汚水を外に流す必要がなく、下水道や排水設備がない場所でも設置できます。
この仕組みによって、一般的な仮設トイレのように汚物が貯まり続ける状態になりにくくなります。結果として、悪臭もせず、くみ取りも必要がありません。
具体例として、山間部の工事現場や、上下水道が整っていない場所でバイオトイレが使われることがあります。水を使わずに処理できるため、給水の手配や排水の心配が不要になります。
一方で、微生物の働きを安定させるためには、一定の環境条件が必要です。多くのバイオトイレでは電源が必要になり、内部の温度や攪拌が保たれることで、分解が進みます。
このように、バイオトイレは一般的な仮設トイレとはまったく異なる仕組みになっています。水や汚物処理の制約がある現場ほど、その仕組みのメリットを実感しやすいです。
バイオトイレのメリット・デメリット
バイオトイレの一番のメリットは、においがしない点です。汚物をため続ける構造ではないため、一般的な仮設トイレと比べて、トイレ特有のにおいを感じにくくなります。
次に、水を使わない点も強みです。給水や排水の準備が不要になることで、設置できる場所の選択肢が広がります。
さらに、くみ取り作業が不要な点もポイントです。くみ取りが前提の仮設トイレでは、回数が増えるほど費用と手間がかかりますが、バイオトイレではその負担がまったくありません。「1日あたり○○回まで」「○○人まで使用可能」といった機種ごとに利用回数の制限が設けられていますが、こちらを超えない範囲で使用すれば、大幅に管理の手間が軽減されます。
一方で、デメリットもあります。多くのバイオトイレは電源を必要とするため、電源が確保できない場所では使えません。発電機を使う場合は、その管理も必要になります。
また、短期利用に向かないケースがある点も注意が必要です。最低レンタル期間が1か月など設定されていることがあり、1日や数日のイベントでは割高に感じるかもしれません。
料金面では、月額だけを見ると一般的な仮設トイレよりは高く見えます。ただし、清掃やくみ取り、水の手配まで含めた総額で比べると、差が小さくなることも。
バイオトイレは万能ではありませんが、条件が合う現場では、管理負担とストレスを大きく減らせる選択肢です。メリットとデメリットを理解したうえで、使いどころを見極めることが大切です。
まとめ:安さだけで決めず、バイオトイレも含めて最適解へ

仮設トイレのレンタル料金は、「1日あたりいくらか」だけで判断すると、実際の負担とズレが生じやすいです。レンタル料にくわえて、運搬、設置、回収、清掃、くみ取りといった要素が重なり、合計金額が決まるからです。
簡易水洗や非水洗は初期費用を抑えやすい一方で、におい対策や清掃、くみ取りの手間がかかります。水洗式は快適性が高い反面、給水や排水の条件によって追加費用が発生しやすいです。それぞれに向き不向きがあり、「安いから正解」「高いから失敗」という単純な話ではありません。
特に注意したいのは、利用人数が多い現場や、長期間にわたる工事、一般の来場者が使うイベントです。こうした場面では、においや衛生、清掃負担が積み重なり、管理側のストレスやクレームにつながりやすくなります。
そこで選択肢に入れていただきたいのが、「バイオトイレ」です。水やくみ取りに頼らない仕組みのため、管理項目を減らしやすく、においの問題も起きにくいです。月額だけを見ると高く感じても、運用まで含めた総額や手間を考えると、結果的に合理的になるケースもあります。
仮設トイレを選ぶときは、料金表だけを見るのではなく、「その料金に何が含まれていて、何が発生しうるのか」を整理することが大切です。現場条件、利用人数、期間を明確にしたうえで比較すれば、後悔の少ない判断につながります。
料金の安さだけに引っぱられず、現場にとって本当に負担の少ない選択肢を検討してみてください。それが、コストと満足度を両立させる近道です。

バイオトイレの導入はメイクリーンにご相談ください

バイオトイレナビを運営する株式会社メイクリーンは、バイオトイレ「バイオミカレット」の販売・レンタルを行う株式会社ミカサの東日本販売総代理店です。
バイオトイレの導入をご検討の方は、ご相談・お見積りをはじめ、バイオトイレについてご不明な点があれば、フリーダイヤル(0120-24-0012)、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

