電気がない現場でバイオトイレは使える?発電機で稼働させた5つの現場と運用の条件

「山の中の現場で、電気も水も来ていない」
「発電機はあるが、トイレまで動かせるのか分からない」
「発電機は毎晩止める。翌朝ちゃんと使えるのか」
電気が引けない現場でも、必要な電圧・出力・通電時間を確保すれば、発電機で電動式バイオトイレを運用できます。当社では、山間部の工事現場や地下の作業場、商用電源のないキャンプ場などへ「バイオミカレット」を納品してきました。
この記事では、発電機の運転時間と利用回数の目安、必要な出力や電圧、安全面の注意点を、5つの導入事例とあわせて紹介します。
株式会社メイクリーン
この記事は、バイオトイレの販売・レンタル・導入支援を行う株式会社メイクリーンが監修・執筆しています。現場での導入経験をもとに、わかりやすく解説します。
電気が引けない現場で電動式バイオトイレを動かす3つの方法
電源の候補は、発電機、ポータブル電源、太陽光+蓄電池の3つ。出力だけでなく、必要な時間だけ電気を供給できるかが選定のポイントです。

| 方法 | 必要な準備・管理 | 運用上の確認点 |
|---|---|---|
| 発電機 | 燃料の確保、給油、始動・停止 | 電圧・定格出力に加え、必要な運転時間を確保できるか |
| ポータブル電源 | 充電手段と充電時間の確保 | 定格出力と容量が足りるか。使いながら必要な通電時間を確保できるか |
| 太陽光+蓄電池 | 発電・蓄電設備の設計、設置 | 夜間や悪天候が続く間も、必要な通電を維持できるか |
発電機をはじめ、ポータブル電源・太陽光+蓄電池でのバイオトイレの稼働をご検討の場合は、使用予定の機器や充電・蓄電の計画についてご相談ください。
発電機で動かすと利用回数はどう変わる?運転時間・出力・安全の確認点
以下は、当社が取り扱うバイオミカレット(AC100V・最大消費電力700W)の運用条件です。
運転時間と1日の利用回数の関係
バイオミカレットの処理能力は24時間通電が前提。発電機を日中だけ回すなら、利用上限も少なく見積もる必要があります。
当社の運用目安(BM30-I型):発電機を1日8時間程度運転する場合、利用上限の目安は1日10回程度です。ただし、気温や使い方による調整が必要で、どの現場でも10回使えるという意味ではありません。
利用実績:宮城県の公園工事では、7時30分〜18時の10時間30分運転で、1基あたり平均16回/日でした。この16回は実際の平均利用数であり、利用上限とは区別してください。
想定する利用回数が上限に収まらなければ、運転時間を延ばす、台数を増やす、汲み取り式を併設するなどの調整が必要です。
発電機の大きさ
最大消費電力700Wに対し、発電機には出力の余裕が必要です。照明や工具もつなぐなら、その消費電力も見込んで選んでください。
発電機は必ず安全に使用する
発電機本体は、排気ガスによる一酸化炭素中毒のおそれがあるため、屋内・地下・換気の悪い場所では使用できません。
設置先は、風通しがよく、排気が窓・ドア・地下への入口に流れ込まない屋外へ。建物や可燃物との距離、雨・水への対策も、発電機の取扱説明書で確認してください。

当社が取り扱うバイオミカレットの電源条件と発電機運用
電源の仕様と価格
- AC100V専用。使用できる電圧は95〜105V
- 最大消費電力700W。ヒーター・撹拌・換気・照明が同時に動くときの値で、常時700Wではありません
- レンタルはBM30-I型のみ、月額82,000円(税別)。各機種の仕様は製品情報をご覧ください
発電機を使うときの手順
トイレを接続するのは、発電機が安定してから。停止時は逆に、トイレの電源を先に切ってプラグを抜きます。
電源を入れるとき
- 発電機を始動する
- 安定したら出力電圧を確認する(95〜105Vであること)
- バイオミカレットの電源プラグをAC100V出力のコンセントに差す
- 最後にトイレの電源を入れる
電源を切るとき
- トイレの電源を切る
- 電源プラグを抜く
- 発電機を停止する
200Vからトランス降圧機を経由して100Vを取る場合も、手順は同じ。電圧を測るのは降圧機の出力側です。
115V出力のコンセントは使用不可。AC100V出力側を選び、実際の電圧が95〜105Vに収まっていることを確かめてから接続してください。
トイレの電源を入れたまま発電機を始動・停止すると、規定外の電圧がかかるおそれがあります。

寒冷地・冬季の運用
新潟県南魚沼郡の工事現場では、冬季も稼働した実績があります。寒冷地向けの機体は、出荷時に処理槽ヒーターを通常より高く設定。現場には囲いや屋根の設置もお願いしています。
低温時は処理できる回数が下がるため、気温や発電機の通電時間など、現場条件に応じて利用上限を調整します。

特に注意したいのが、電源を止めたあとの凍結です。水分を含んだ杉チップが凍ると、再通電してもモーターが回らず、故障するおそれがあります。夜間や休日の停止は、再開時の対応も含めて事前にご相談ください。給油・点検時は発電機の取扱説明書に沿って停止してください。
人力式(電源不要型)との違い
人力式は、ハンドルやペダルで処理槽内のおがくずを撹拌する方式です。電源や燃料の手配は不要な一方、使用後の操作は利用者に任せることになります。
- 当社では人力式の取り扱いはありません。
| 項目 | 人力式(電源不要型) | ヒーター・自動撹拌を備えた電動式 |
|---|---|---|
| 撹拌 | 使用後に人がハンドル・ペダルを操作 | センサーで自動、またはボタン操作 |
| 処理槽の温度 | 外気温の影響を受けるため、低温時の能力を確認 | ヒーターで処理槽を保温 |
| 電源 | 不要 | 商用電源、発電機などが必要 |
人力式を選ぶなら、必要な処理能力に加え、利用者が毎回撹拌できるかも確認を。媒体の点検・交換は、どちらの方式でも欠かせません。

発電機でバイオミカレットを稼働させた5つの現場
発電機の運転時間は、日中だけの現場からほぼ24時間の現場までさまざまです。
- 本導入事例は個別の運用実績であり、同じ利用回数や夜間停止をどの現場にも勧めるものではありません。
| 現場 | 発電機の運転 | 運用の特徴 |
|---|---|---|
| 公園工事(宮城県) | 7時30分〜18時(10時間30分) | 1基あたり平均16回/日 |
| 東急建設様・地下の作業場 | 夜間は停止 | 1年以上の使用で、臭いが気にならないと利用者から評価 |
| キャンプ場 | 給油時を除き、ほぼ24時間 | 不特定多数の来場者が利用 |
| 白鳥建設様・山間部の工事 | 1日8時間 | 利用回数が少ない現場で、小型発電機を使用 |
| 水郷建設様・工事現場 | 日中のみ | 人数が増える日に備え、汲み取り式を併設 |
宮城県の公園工事|10時間30分の運転で平均16回/日

設置先は、商用電源を引けない宮城県の公園工事現場。広い公園の一画にトイレを置き、7時30分〜18時の発電機運転で使われていました。
地下の作業場|「臭いが気にならない」と利用者から評価

東急建設様の地下作業場では、詰所のトイレまでの移動が負担になっていました。作業場の近くにバイオミカレットを置き、発電機から電源を供給。夜間は停止する運用でした。
1年以上使っても臭いが気にならず、トイレを我慢せずに済むようになったとの評価をいただきました。

大型発電機でほぼ24時間運転

不特定多数の来場者が使うキャンプ場では、利用回数を読みづらいのが課題でした。商用電源もないため、大型発電機を導入。給油時を除き、ほぼ24時間通電する運用です。
山間部で連続8時間の小型機

白鳥建設様には、上下水道も電気もない山間部の工事現場へ、快適トイレとして導入いただきました。利用回数が少ない現場のため、電源は1日8時間運転の小型発電機で対応。

通電時間が短いぶんを汲み取り式との併設で補う

水郷建設様の国土交通省発注工事では、発電機の運転は日中のみ。通電時間が短いぶん、汲み取り式の仮設トイレも併設し、応援などで利用人数が増える日に備えました。

相談時にお伝えいただきたい項目
1日の利用回数が分からなくても大丈夫です。人数と使う時間帯をもとに検討できるので、次の情報を分かる範囲でお知らせください。
- 設置場所と使用時期(冬季・寒冷地で使うか)
- 利用する人数と時間帯
- 発電機の運転予定(何時〜何時、夜間・休日に止めるか)
- 発電機の有無、型番・定格出力(銘板の写真でも可)
- 同じ発電機につなぐ照明・工具などの機器
- 給油や始動・停止を担当する人がいるか
- 購入・レンタルの希望

よくある質問
- 発電機は何kWあれば動きますか?
-
トイレ専用として2kW以上の機種をご利用ください。最大消費電力は0.7kW(700W)ですが、発電機にはそれ以上の余裕が必要です。
照明や電動工具との共用分も含める場合、使用予定の定格出力をお調べの上、容量に余裕をもって機器をお選びください。
- 発電機を夜間に止めても、翌朝すぐ使えますか?
-
気温・停止時間・利用状況によるため、一律には判断できません。停止中に使ってよいか、再通電後いつから使えるか、再開前に点検が必要かは、事前の確認が必要です。休日など長時間止める予定もあわせてご相談ください。
- 発電機の電圧が高いと壊れますか?
-
規定範囲外の電圧は、制御基板の故障原因になります。バイオミカレットは95〜105Vの範囲で使用し、発電機の始動後に出力電圧を確認してから接続してください。
- レンタルでも発電機で運用できますか?
-
はい。対象はBM30-I型で、月額82,000円(税別)です。利用回数は、発電機の運転時間や現場条件に合わせて調整します。
- ポータブル電源や太陽光だけで動きますか?
-
電圧・定格出力・容量に加え、必要な通電時間を確保できるかの確認が必要です。使用予定の機器や充電・蓄電の計画について、導入前にご相談ください。
- 電気代の代わりに燃料代はどれくらいかかりますか?
-
発電機の燃料消費量、運転時間、接続する機器、燃料価格で変わります。使用予定の発電機について、想定する負荷での燃料消費量と1日の運転時間から見積もってください。
まとめ|電気がない現場でも、発電機でバイオトイレは使える

発電機運用で大切なのは、「電源につなげるか」だけでなく、「必要な回数を処理できる時間だけ通電できるか」。現場に合った機器と運転計画を組めば、商用電源のない場所でもバイオミカレットを使えます。
人数や運転時間がまだ固まっていない場合も、まずは現場の状況をお聞かせください。必要な台数、利用回数の目安、レンタル可否を一緒に整理します。

